本記事では、豪華客船(クルーズ)での船酔い対策についてご紹介します!世界一周など、長旅になる場合の船酔い対策とは?事前準備や酔わないための方法、部屋選び、地中海クルーズ、エーゲ海クルーズや場所の違い、その他の知っておきたいことをまとめていますので、最後までご覧ください。
クルーズ(豪華客船)は船酔いしにくいって本当?
そもそも、船酔いはなぜ起こる?
船酔いとは、乗り物の揺れによって起こる「乗り物酔い(動揺病)」の一種です。この船酔いは、視覚と平衡感覚の不一致が原因で起こります。
クルーズ船が揺れる際、目で見える景色(例えば、動いていない船の内部)と内耳の平衡感覚(船の揺れを感じる感覚)が異なるため、脳が混乱し、酔いの症状が現れます。この不一致が原因で、めまいや吐き気、頭痛などの船酔いの症状が引き起こされるのです。
船酔いに敏感な人は、クルーズ船の中央付近のデッキなど、揺れが少ない場所にいると症状が軽減されることがあります。
クルーズ(豪華客船)は船酔いしにくいって本当?
クルーズ船(豪華客船)では船酔いしにくいとされています。その理由は、クルーズ船が非常に大きくて重いため、安定性が高く、波や風による揺れが小さく抑えられることです。さらに、最新のクルーズ船にはスタビライザーという装置が備わっており、船のバランスを自動で調整することで揺れをさらに軽減しています。航行するルートも比較的波が穏やかな海域を選んでいるため、他の小型船や高速船に比べて船酔いのリスクが低いと言えます。
船体の左右の下部に取り付けられた「スタビライザー」と呼ばれる可動式のフィン(翼のような装置)が、船が傾いた際に反対側に力を加えることで揺れを抑えます。スタビライザーは揺れの方向や強さに合わせて角度を自動で調整し、船体を安定させます。
スタビライザーは横揺れ(ローリング)を減らすことができ、船の揺れを50%以上軽減すると言われています。特に波が高い海域での効果が大きいです。
ただし、船酔いは個人差が大きく、体調や天候、船の位置によっても影響されるため、まったく船酔いしないわけではありません。酔いやすい人は、船の中央や低層の揺れが少ない部屋を選ぶと良いでしょう。また、船酔いに備えた薬を持参したり、甲板に出て新鮮な空気を吸うことも効果的です。
クルーズ船で酔わないためには?世界一周など船旅の船酔い対策
クルーズでの船酔い対策で渡航前にできる事前準備
クルーズでの船酔いを防ぐために、渡航前にできる事前準備として以下のポイントを専門家としてご紹介します。
船酔いが心配な場合、酔い止め薬を持参することが大切です。市販のものには、抗ヒスタミン薬や生姜エキスが含まれるものがあります。医師に相談して処方薬を用意するのも良いでしょう。
船酔いは疲労やストレスが原因で悪化することがあります。出発前には十分な睡眠を取り、ストレスを軽減して体調を整えておくことが重要です。また、渡航前〜1週間ではアルコールやカフェインの摂取は控え、胃腸に優しい食事を心がけましょう。
酔い止めバンドや酔い止めパッチなどのグッズを持参することも効果的です。アロマオイル(ペパーミント、レモンなど)や生姜キャンディーも、船酔いの軽減に役立ちます。
船酔いしやすい人は、船内の揺れにくい場所を選ぶことが大切です。通常、船の中央部で下層階のキャビンが揺れが少ないとされています。事前にキャビンの位置をリサーチし、予約する際に考慮することをおすすめします。
船酔いは精神的な要因にも影響されます。「酔うかもしれない」という不安が酔いを悪化させることがあるため、ポジティブな気持ちでクルーズを楽しむ心構えも大切です。
船酔い対策にはこれ!準備すべき20のアイテム
アイテム1:酔い止め薬(抗ヒスタミン薬・生姜エキス入り)
船酔いの症状を抑える効果があります。出発前に服用することで、酔う前に予防できます。抗ヒスタミン薬は眠気を引き起こすものもあるため、日中用と夜用の2種類を持参すると便利です。
アイテム2:酔い止めバンド(アクアバンド)
手首に巻いて圧力をかけ、ツボを刺激することで酔いを軽減する効果があります。薬を使いたくない人や、自然な方法で対策したい人におすすめです。
アイテム3:酔い止めパッチ
耳の後ろに貼るタイプで、持続的に有効成分が体内に吸収されます。長時間効果が続くため、特に長い航海では便利です。
アイテム4:生姜製品(生姜キャンディー・生姜茶)
生姜は天然の抗吐き気成分で、船酔いの症状を和らげる効果があります。キャンディーやティーバッグの形状で持ち運びしやすく、酔いが出そうなときに気軽に摂取できます。
アイテム5:アロマオイル(ペパーミント、レモン、ラベンダーなど)
香りにはリラックス効果があり、船酔いによる不快感を軽減する助けとなります。特にペパーミントやレモンは吐き気を抑える効果があるとされています。コットンに数滴垂らしたり、ハンカチに含ませて香りを吸うと効果的です。
アイテム6:炭酸飲料やミネラルウォーター
船酔いで吐き気が出た場合、炭酸飲料(炭酸水やジンジャーエールなど)は胃のムカつきを和らげます。ミネラルウォーターも常に水分補給するために必要です。
アイテム7:軽食(クラッカーやビスケットなど)
空腹や満腹は酔いやすい状態を引き起こします。消化に優しいクラッカーやビスケットをこまめに食べると、胃が落ち着きます。
アイテム8:サングラスや帽子
日差しが強いと目が疲れたり、酔いやすくなることがあります。サングラスや帽子で日差しを遮ることで、酔いを軽減する効果が期待できます。
アイテム9:着替え用の軽い服装
船酔いで気分が悪くなったとき、服が濡れたり汗をかいた場合などは着替えると気分がリフレッシュします。特に風通しがよく快適な素材の服を用意すると良いでしょう。
アイテム10:耳栓やアイマスク
眠れないと疲労がたまり船酔いしやすくなるため、静かにリラックスできる環境を作ることが大切です。耳栓やアイマスクで光や音を遮り、しっかり休むための準備をしましょう。
アイテム11:保険証や海外旅行保険の連絡先
船酔いだけでなく、体調不良などに備えておくと安心です。特に海外クルーズでは、保険証や保険の連絡先があれば医療サービスを受ける際に役立ちます。
アイテム12:常用薬やサプリメント
酔い止め薬以外に、自分の体調や健康状態に応じた常用薬を忘れずに持参しましょう。サプリメントも、ビタミンやミネラルが不足しがちな場合に備えて準備すると良いです。
アイテム13:小さなカゴやポーチ
船のキャビンは限られたスペースなので、小物や薬をまとめて整理するのに便利です。酔い止め薬や生姜キャンディーなどをすぐに取り出せるようにしておくと、緊急時にも安心です。
アイテム14:マスク・除菌シート・アルコールスプレー
船内は多くの人が密集する場所であるため、体調を維持するために衛生用品は必需品です。マスクでウイルスや匂いを遮断でき、除菌シートやアルコールスプレーで手や周囲を清潔に保てます。
アイテム15:ファブリックミストや消臭剤
船室は閉鎖空間で、匂いがこもりやすいことがあります。気分を爽やかにするためにも、ファブリックミストや消臭剤があると快適です。特にアロマ効果のあるものなら、リラックスや酔いの軽減にも役立ちます。
アイテム16:ネックピローやクッション
船酔いの際には、体をリラックスさせることが大切です。ネックピローや小さなクッションを持参すると、甲板で横になったり、船室で休む際に快適さが増します。
アイテム17:スリッパや室内履き
船室でリラックスするとき、スリッパや室内履きがあると快適です。船のデッキや客室内を歩く際に靴を脱ぎたくなることも多いので、履きやすいものを用意すると重宝します。
アイテム18:ノートやメモ帳
船酔いで気分が悪くなったときや、船内のスケジュールを確認する際、メモがあると便利です。また、クルーズ中の出来事や気づきを記録するのにも役立ちます。
アイテム19:水分補給用のマイボトル
水分補給は船酔いの予防にもつながります。船内で自由に水分を補給できるよう、マイボトルを持参しておくと便利です。特に冷水やお湯を持ち歩くのに適したものを選ぶと良いでしょう。
アイテム20:眼鏡やコンタクトレンズのスペア
船内でコンタクトレンズが外れたり、眼鏡が壊れることがあるかもしれません。予備の眼鏡やコンタクトを持っておくことで、視界が安定し酔いを防ぐのに役立ちます。
これらのアイテムは、いざという時にあると便利で、船酔いやクルーズでの不快感を軽減してくれます!持参するのを忘れないようにチェックリスト(持ち物リスト)に追加しておきましょう。
クルーズで酔わないための部屋選びとは?
部屋選びも注意が必要です。クルーズで船酔いしにくい部屋を選ぶ際のポイントを理解しましょう!
・船の中央部に近い部屋
船は中央部分が安定し、揺れが最小限に抑えられるためです。船の前方や後方は上下や左右の動きが大きいため、酔いやすくなります。
・低層デッキの部屋
船の重心に近い低層デッキは揺れが少なく、動きを体に感じにくいため、酔うリスクが減ります。高層のデッキは風や波の影響を受けやすく、揺れが大きくなります。
・窓付きまたはバルコニー付きの部屋
外の景色を見ながら船の動きに合わせて視覚と平衡感覚を一致させることで、船酔いの症状を軽減できます。窓のない部屋だと視覚情報が得られないため、船酔いしやすくなります。
これらのポイントを考慮して部屋を選ぶことで、揺れの影響を最小限に抑え、快適にクルーズを楽しむことができます!
船酔い対策で注意すべき、船の中での過ごし方のポイントは?
船酔い対策として、船内での過ごし方のポイントを5つご紹介します。これらを意識することで、船酔いのリスクを軽減し、クルーズをより快適に過ごせます。
船が揺れるときは、できるだけ遠くの水平線を見つめるように。近くのものや揺れるものを見つめると酔いやすくなるため、視線を安定させることがポイントです。また、船の外に出て新鮮な空気を吸うことで、酔いの軽減にもつながります。
船の中央部分は揺れが少なく、上層階よりも下層階が安定しています。体調が悪くなりそうなときは、船内の揺れにくい場所で過ごすと良いでしょう。また、あまり動き回らず、できるだけ安定した姿勢を保つよう心がけます。
船酔いの原因には、胃の状態が影響することがあります。満腹になると胃に負担がかかり酔いやすくなるため、軽めの食事を心がけ、こまめに少量ずつ食べるようにします。揚げ物や脂っこいものは避け、胃に優しいフルーツやクラッカーなどを摂るのがおすすめです。
アルコールやカフェインは体の脱水を引き起こし、船酔いを悪化させることがあります。特に揺れのある時や酔いそうな時は避け、水分補給を優先しましょう。ハーブティーや炭酸水など、胃に優しく水分補給できる飲み物を摂ると良いです。
緊張やストレスは船酔いを悪化させる可能性があるため、リラックスできる姿勢を保ちます。甲板の椅子に座ったり横になる、深呼吸をする、軽いストレッチをするなど、自分がリラックスできる方法を見つけましょう。特に、横になる場合は船の揺れと平行に寝ると揺れを感じにくくなります。
豪華客船(世界一周)クルーズでの船酔いはしない?関連する質問(Q&A)
飛鳥ii・ディズニークルーズ・ジャパネットクルーズの船酔いの違いは?
飛鳥II、ディズニークルーズ、ジャパネットクルーズのそれぞれで船酔いのしやすさには、以下のような特徴や違いがあります。各クルーズごとに、船の大きさ、安定性、航路などが異なるため、船酔いのしやすさに影響します。
飛鳥II(Asuka II)
・船の特徴
飛鳥IIは日本が誇るラグジュアリー客船で、比較的大きな船(約50,000トン)であり、安定性が高いのが特徴です。
・船酔いのしやすさ
大型船であるため、波の揺れの影響を受けにくく、船酔いしにくいとされています。また、サービスが充実しており、乗客の快適さが優先されているため、船酔い対策も充実しています。
・航路
世界一周クルーズや日本国内を巡る航路があり、航路によっては海が穏やかなエリアを通ることが多いので、比較的揺れが少なく、船酔いの心配は少なめです。
ディズニークルーズ(Disney Cruise Line)
・船の特徴
ディズニークルーズはファミリー向けに特化した客船で、船の大きさは中型から大型(約80,000トン~130,000トン)です。エンターテインメント施設や子ども向けアクティビティが充実しており、ファミリー向けの快適なクルーズ体験が重視されています。
・船酔いのしやすさ
大型で安定性が高く設計されているため、揺れは比較的少ないです。また、乗客が楽しめるように、船内の重心を低くするなどの設計がされており、快適な航海ができるようになっています。ただし、航路によってはカリブ海など揺れやすいエリアもあるため、その際は船酔いの可能性が多少あります。
・航路
カリブ海や地中海などのリゾートエリアを巡るクルーズが中心で、エリアによっては海の状況が変わるため、場合によっては揺れを感じることもあります。
ジャパネットクルーズ
・船の特徴
ジャパネットクルーズは日本国内でのクルーズを展開するツアーで、他のクルーズラインと提携して運航されることが多いです。利用する船は「MSCクルーズ」や「コスタクルーズ」などの大型客船で、規模は大型(約90,000トン~150,000トン)です。
・船酔いのしやすさ
使用する船はどれも大型で、安定性に優れています。日本近海を中心に運航されるため、比較的海が穏やかなエリアを航行することが多いです。そのため、船酔いの心配は比較的少ないと考えられます。
・航路
日本国内のクルーズが中心で、太平洋や瀬戸内海を巡る航路では海が穏やかなことが多く、揺れが少ない場合が多いです。
このように安定性の観点では、どの船も大型で設計上の工夫がされているため、船酔いしにくいと言えます。航路の違いが船酔いのしやすさに影響します。飛鳥IIやジャパネットクルーズは日本近海を航行することが多く、比較的海が穏やかなため船酔いのリスクは低めです。
一方、ディズニークルーズのカリブ海や大西洋航路などは時期やエリアによって揺れることがあるため、船酔いする可能性が若干高くなることもあります。全体的に、クルーズ旅行に初めて参加する方や船酔いが心配な方は、揺れの少ない航路や大型船を選ぶと安心して楽しめるでしょう!
地中海クルーズ・エーゲ海クルーズなどエリアによる船酔いの違いは?
地中海クルーズ、エーゲ海クルーズなど、航海エリアによって船酔いのしやすさは異なります。各エリアの海況や季節によって、船の揺れ具合が大きく変わるため、それぞれの特徴を知ることが船酔い対策の一助になります。
地中海クルーズ
・海況と季節
地中海は全般的に海が穏やかで、波が立ちにくいエリアとされています。特に5月~9月の夏季シーズンは天候が安定しており、海も穏やかで船酔いしにくいです。
・船酔いのしやすさ
夏季は非常に船酔いしにくいエリアとされています。ただし、10月~4月は風が強くなることがあり、天候が荒れると波が高くなるため、多少の揺れが生じることもあります。
・航路の特徴
イタリア、スペイン、フランス、ギリシャなどの沿岸部を巡るクルーズが多く、島々が点在しているため、海のうねりが緩和されることもあり、比較的揺れにくいです。
エーゲ海クルーズ
・海況と季節
エーゲ海はギリシャとトルコの間に位置し、多くの島々が点在しているため、島影に隠れて海が穏やかなことが多いです。しかし、夏季(特に7月~8月)には「メルテミ」という強い北風が吹くことがあり、風による波が発生しやすくなります。
・船酔いのしやすさ
風が強く吹く時期や、メルテミが吹く日は船が揺れることがあるため、船酔いしやすくなることがあります。ただし、通常は小さな島々の間を航行するため、海況が穏やかな場合も多く、船酔いのリスクはそこまで高くありません。
・航路の特徴
サントリーニ島やミコノス島などの観光地を巡るコースが多く、沿岸や島伝いの航路が主流です。そのため、揺れが発生しても比較的短時間で穏やかな海域に戻れることが多いです。
バルト海クルーズ
・海況と季節
バルト海は閉じられた内海であり、周囲の国々(スウェーデン、フィンランド、エストニアなど)によって囲まれているため、外洋ほど波は高くありません。夏季は非常に穏やかで、冬季は凍結することもあるためクルーズが行われないことが多いです。
・船酔いのしやすさ
揺れが少ない内海であるため、船酔いのリスクは比較的低いエリアです。クルーズ初心者や船酔いしやすい方にもおすすめのエリアです。
カリブ海クルーズ
・海況と季節
カリブ海はクルーズ人気が高いエリアですが、海が広く外洋に面しているため、エリアや季節によっては波が高くなることもあります。特に6月~11月のハリケーンシーズンは、天候が急変しやすいため、船の揺れが大きくなる可能性があります。
・船酔いのしやすさ
シーズンや天候によって大きく異なりますが、天候が安定している冬季(12月~4月)は比較的揺れが少なく、船酔いのリスクも低くなります。
アラスカクルーズ
・海況と季節
アラスカクルーズは、一般的に5月~9月の夏季に行われます。航路が内海を通ることが多く、フィヨルドや氷河に囲まれたエリアを航行するため、海は穏やかです。ただし、ベーリング海や外海を通過する場合は波が高くなることもあります。
・船酔いのしやすさ
航路によりますが、内海を巡るコースが多いため、揺れは少なく、船酔いのリスクは低いです。
日本近海クルーズ
・海況と季節
日本近海は、季節風や台風の影響を受けることがあるため、季節によって海況が変わります。特に6月~10月の台風シーズンは、急に天候が悪化することがあるので注意が必要です。一方で、冬季(12月~3月)は比較的穏やかな海況になることが多いです。
・船酔いのしやすさ: 季節次第ではありますが、春や秋の穏やかな時期であれば揺れが少なく、船酔いのリスクも低くなります。
このように航海エリアによるの違いとして、
・穏やかな海況:バルト海、アラスカの内海、エーゲ海(風がないとき)、地中海(夏季)
・波が高く揺れやすい:カリブ海(ハリケーンシーズン)、エーゲ海(メルテミが吹くとき)、地中海(冬季)
もしも初めての長旅のクルーズへ行く場合、波が穏やかで寄港地観光が充実した地中海や、バルト海のクルーズがおすすめです。船酔いが特に心配な場合は、内海で揺れが少ないアラスカや瀬戸内海のクルーズも良いでしょう。
どのエリアも魅力的で、長い船旅でも飽きることなく楽しめるため、快適なクルーズデビューができるでしょう。クルーズエリアの選択をする際には、季節と航路を確認し、できるだけ穏やかな海域を選ぶと船酔いのリスクを減らせるでしょう!